売上が増えても、その前に仕入や人件費を支払う会社では資金が必要になります。ただし、すべての取引で支払いが先とは限りません。前受金や仕入先との支払条件も含め、自社の流れを確認します。
売上債権1,900万円+在庫1,100万円−買入債務1,300万円なら、営業運転資本の参考値は1,700万円です。月商1,000万円に対して1.7か月分になります。同じ比率が続くと仮定すれば、月商1,500万円では2,550万円、差額850万円が増加分の目安です。
これは売上構成や粗利、回収・支払条件などが変わらないと仮定した概算です。設備投資、税金、利益から生まれる資金、手元残高は別に確認します。期末残高だけでなく月中の変動や繁忙期も見て、実際の不足額を資金繰り表で出します。
注文書、契約書、入出金条件、必要な在庫と人員を整理します。受注が見込み段階なら確定分と分けます。売上が増えた後でも増加運転資金の相談は可能です。「伸びる前でなければ前向きな資金需要と扱われない」という一律の決まりはありません。
正常な営業に必要な資金には短期継続融資等が合う場合もありますが、長期借入が常に誤りではありません。更新リスク、金利、返済負担を比較します。支払条件の変更は、取適法等の適用や相手との契約を確認し、一方的に延ばさないようにします。
情報確認日:2026年10月3日。
「売上が伸びているのに資金繰りが厳しい」この言葉非常に多く聞きます。
大きな案件が増えてその分仕入れや外注費等の先出の費用が増加しております。俗にいう黒字倒産の多くはこの影響により資金ショートしてしまうことが最も多い理由となっております。
増収してるなら融資を受ければいいじゃんと思う方が多いと思いますが、多くの経営者は資金繰りを把握しておらず、資金が厳しくなったタイミングで初めて相談に行きます。基本的に資金ショートしそうな会社に対しての融資はネガティブです。現在の状況になる前に資金計画は組んでいなかったのか、もしくは一時の増収で継続性はあるものなかが全く見えてこないからです。
大幅な増収増益傾向にあるから融資は問題ないだろうと思う人も多いですが、逆で金融機関としては今後も継続して売上利益を確保していく見通しが立っているのかを非常に重視します。
増収増益だからと安易に考えず、好調の時もただ突っ走るのでなくしっかりと今後の計画も立てていくと安全性が高くなるでしょう。
企業経財は、中小企業の財務を中心に、資金繰り・資金調達・事業承継など、経営者が今日から使える実務情報をお届けする専門メディアです。「煽らない・脅さない」を編集方針とし、資金繰りの健全化に役立つ情報の発信を続けています。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の資金繰りや融資の結果を保証するものではありません。記載の数値例は仕組みを説明するためのものであり、実際の必要額は業種・取引条件・規模により大きく異なります。制度や統計の内容は改定されることがあります。具体的なご判断は、取引金融機関および顧問税理士等の専門家にご確認ください。
【参考】財務省「法人企業統計調査」令和6年度、中小企業庁「2026年版小規模企業白書」、金融庁「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」(2019年12月18日廃止)、日本政策金融公庫「一般貸付」