会社から役員へ貸したお金は、返済義務のある債権です。帳簿に残っているという理由だけで、自由に給与へ振り替えたり消したりできるものではありません。まず貸付日、使途、残高、利率、返済条件と、実際の入出金を照合します。
国税庁の利息相当額の説明では、会社が他から借り入れて貸した場合は、その借入金の利率を使います。それ以外の区分では貸付けを行った年に応じ、令和4〜7年中の貸付けは0.9%、令和8年中の貸付けは1.3%とされています。年が変わっただけで既存の貸付残高全部を1.3%に置き換える説明は適切ではありません。
無利息・低利の貸付けでは利息差額が給与として扱われる場合がありますが、災害・病気による一定の貸付け、合理的な調達金利による貸付け、所定の計算による年間差額が5,000円以下の場合などの取扱いがあります。新たな貸付けと追加貸付けを区別し、契約と税務上の判断を税理士に確認します。
役員が返済すれば会社の現金が増えます。債務を免除する場合は、役員への経済的利益や会社側の給与・損金の扱いなどが論点になります。返済できない事情を含めて個別の判断が必要です。単に残高をゼロにする処理はせず、役員報酬の変更にも別の税務要件があることを確認します。
会社と個人のお金の区分は経営者保証の検討材料です。ただし、あらゆる役員との取引が禁止されるという意味ではありません。貸付けの性質、事業上の必要性、回収可能性、契約と返済実績を説明します。特定の保証制度に申し込む場合は、その制度の代表者貸付金等の要件を金融機関・保証協会に確認します。
貸付契約、残高の内訳、過去の入出金、返済計画をそろえます。役員の死亡などで相続が関わる場合は、相続放棄等も含む個別の事情があるため、会社の債権と個人側の手続きを分けて専門家へ相談します。
情報確認日:2026年10月3日。
本文にも記載のある通り、税務上や経営者保証の観点も非常に重要ではあります。
融資審査においても大きく影響を及ぼす勘定科目の一つとなります。事業資金として融資したものが代表者個人に流れてしまう可能性があること。現在の融資審査において資金使途は重要視されるポイントとなります。昔はとりあえず運転資金での融資といったことがよくありましたが、現在は運転資金だとしても詳細な使途を稟議に落とし込まないと財務状況が良好でも融資は受けにくくなっております。
また、会計の仕訳で顧問税理士との打合せがしっかりとできていないと、不透明な資金の動きがあった際には安易に代表者貸付金として計上されてしまっていることがあります。
決算書の勘定科目までしっかりと精査し、貸付金の勘定科目がないかしっかりと確認が必要です。
代表者貸付が発生していると、金融機関や保証協会等からの印象も非常に悪く、経営の安定性を考えた際にはきれいにしておきたい項目となっております。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務判断を行うものではありません。利率・制度の要件は改正されることがあり、国税庁の一般向け解説ページへの反映には時間差が生じる場合があります。実際のご判断は、顧問税理士にご確認ください。
【参考】国税庁 タックスアンサー No.2606・No.5202・No.4126・No.9205/国税庁 所得税基本通達36-28・36-49/国税庁 財産評価基本通達204・205/財務省告示第305号(令和7年11月28日)/e-Gov法令検索「租税特別措置法」第93条/「法人税法」第34条/「法人税法施行令」第69条・第70条/「所得税法」第183条/「民法」第896条/中小企業庁「保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等を開始します」(令和6年3月15日)/日本政策金融公庫「経営者保証免除特例制度」/経営者保証に関するガイドライン研究会「経営者保証に関するガイドライン」および「事業承継時に焦点を当てた特則」/金融庁「『経営者保証に関するガイドライン』の活用に係る参考事例集」