日本銀行が2026年10月1日に公表した9月短観では、中小企業の資金繰り判断DIと、金融機関の貸出態度判断DIは、6月調査から横ばいでした。一方、借入金利が上昇したと答える方向のDIは上がっています。「借りやすさ」と「借りた後の負担」を分けて見る必要があります。
全産業の中小企業について、貸出態度判断DIはプラス12、資金繰り判断DIはプラス8で、いずれも6月調査と同じ値でした。前者は「緩い」と「厳しい」、後者は「楽である」と「苦しい」という回答割合の差です。プラスだから、すべての中小企業が容易に借りられるという意味ではありません。
同じ中小企業・全産業の借入金利水準判断DIは、6月のプラス61から9月はプラス70へ上がりました。これは金利そのものが9%上がったという数字ではなく、上昇と低下の回答割合の差が9ポイント広がったという意味です。
自社では、変動金利か固定金利か、次の金利見直しはいつか、追加借入の提示金利はいくらかを借入ごとに確認します。残高が同じでも、金利や借換条件の変化で支払利息が増える可能性があります。
中小製造業の9月調査では、販売価格判断DIがプラス41、仕入価格判断DIがプラス71でした。ただし、この二つの差を、そのまま価格転嫁率や粗利率と読むことはできません。価格がどれだけ動いたかを金額で測る統計ではないためです。自社の転嫁状況は、商品や取引先ごとの販売単価・仕入単価・数量で確かめます。
一つ目は借入一覧です。残高、金利、毎月の返済額、最終期限、保証や担保の条件を並べます。二つ目は、売上の入金月と税金・賞与・返済の支払月を置いた資金繰り表。三つ目は、金利や入金時期が予定より不利になった場合の資金残高です。
資金の不足が見込まれるなら、必要日より前に金融機関へ相談します。当座貸越などの枠についても、利息だけでなく、契約手数料、保証料、未使用枠に関する費用や更新条件を確かめます。「使わなければ費用は一切かからない」とは限りません。
短観は経営環境を知る材料です。融資の可否や条件は個別の審査で決まります。全体の数字を見ながら、自社の返済予定と資金不足が生じる月を具体的に説明できるようにしておきます。
情報確認日:2026年10月3日。
足元の業況が悪くなくても、先行きへの慎重な見方が強まっている点は、中小企業にとって重要だと思います。
特に仕入価格の上昇に販売価格への転嫁が追いつかなければ、今後は利益率の低下から資金繰りにも影響が出てきます。
資金が不足してから融資を申し込むのではなく、業績や金融環境が安定しているうちに12か月程度の資金繰りを確認し、必要に応じて資金を確保しておくことが重要です。
「借りる必要がない時に借りられる状態を作る」という考え方が、今後の不確実性への備えになると感じます。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、融資の実行や条件を保証・推奨するものではありません。調査結果は回次により変わります。記載は公表時点の内容にもとづいています。最新の調査回については日本銀行の公表資料をご確認ください。