給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、承認を受けて納期の特例を利用できます。税額が減る制度ではなく、対象となる源泉所得税等の納付をまとめる仕組みです。
対象は給与・退職金や一定の士業報酬等で、すべての源泉徴収対象の支払いが含まれるわけではありません。1月から6月の対象分は7月10日、7月から12月の対象分は翌年1月20日が原則の納期限です。休日の場合の扱いも確認します。承認申請は原則として提出月の翌月に源泉徴収する分から対象となります。
年末調整で従業員へ還付する額は、納付する源泉徴収税額から差し引く取扱いがあります。例えば対象となる半年分の徴収額が60万円で、その納付額から還付額10万円を全額差し引く場合、従業員への還付10万円と税務署への納付50万円に分かれます。還付10万円と納付60万円の合計70万円とするのは二重計上です。
その月等の納付額から引ききれない場合には、後の納付額から順次還付する取扱いや、所定の還付請求があります。会社ごとの金額と時期を確認し、全社一律の還付日を置かないようにします。
納付回数が減っても、必要な資金を使ってよいわけではありません。毎月の徴収額、還付額、納付予定を記録しておきます。納期限までの支払いが難しい場合は税務署へ早めに相談します。猶予は自動的に受けられるものではなく、制度ごとの要件を満たす必要があります。
情報確認日:2026年10月3日。
預かった源泉所得税は、口座に残っていても自由に使えるお金ではありません。納期の特例を使う場合も、対象となる支払と対象外の支払を分け、納付予定を資金繰りに組み込むことが大切です。
給与等に係る特例の納付、年末調整の還付、社会保険料や労働保険料などが重なる時期は、実際の対象期間と納付日を確認します。延納の適用条件や休日による期限の繰延べもあるため、日付を一律に置かないようにします。
払えない見込みが分かったら、期限前から税務署に相談しましょう。延滞税の軽減・免除は猶予の種類や認められた期間等により異なり、申請しただけで一律に軽くなるものではありません。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務判断を行うものではありません。税率、期限、制度の内容は改正されることがあります。実際のご判断は、顧問税理士、所轄の税務署、市区町村、年金事務所、労働局にご確認ください。
【参考】国税庁 タックスアンサー No.2110・No.2505・No.2675、および「納税の猶予制度FAQ」(令和6年11月)/財務省「加算税の概要」/国税庁「延滞税の割合」/地方税法321条の5の2/日本年金機構「保険料の納付」/厚生労働省「労働保険の年度更新」/国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」