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季節で売上が動く商売の資金繰り|資金の谷と返済時期を合わせる

企経 企業経財 編集部 公開 2026.10.19 更新 2026.10.19 読了 約8分

季節で売上が動く商売では、一年を通して利益が出ていても、仕入が先行する月や売上の少ない月に手元資金が薄くなることがあります。まず、売上の多い月ではなく、現金が最も少なくなる月を見つけます。

「季節資金」という商品はある。条件は金融機関ごとに確認する

季節的な仕入や賞与などに対応する運転資金について、金融機関が「季節資金」という名称の商品を提供している例があります。公庫の一部の制度一覧に同じ名前がないことをもって、「どこにも存在しない」とするのは誤りです。

相談では商品名だけでなく、何月に何の支払が増え、どの入金で返す予定かを説明します。取扱期間、対象者、融資期間、金利や保証料などは商品ごとに違います。

十二か月の表に、仕入・入金・返済を並べる

売上計画と入金予定を分け、仕入代金、人件費、賞与、家賃、税金、保険料、借入返済を月別に並べます。前年や前々年の実績も参考になりますが、原材料価格や回収条件の変化は今期の見込みへ反映します。

たとえば年末に売上が増えても、その準備の仕入が秋に集中し、代金回収が翌年になるなら、資金の谷は売上のピークより前に来ます。このずれを示すことが、必要な借入期間を相談する材料になります。

返済方法は、資金が戻る時期と合わせて相談する

季節的な資金需要には、期日一括返済や当座貸越なども検討対象になります。一方、慢性的な赤字や回収の難しい売掛金を、毎年の季節資金と同じ説明で扱うことはできません。正常な営業の循環で必要な資金なのか、別の不足原因があるかを分けます。

短期融資の更新は当然に認められるものではありません。返済予定の入金が遅れた場合や、更新できない場合の対応も確認します。融資枠は利息以外に手数料や保証料がかかる場合があるため、総費用で比較します。

税金の予定も、実際の制度に沿って置く

源泉所得税、労働保険料、法人税や消費税の中間納付などは、売上の少ない月にも発生します。申告区分や決算月、納期の特例等により違うので、会社の納付予定を確認します。

消費税には、通常は中間申告義務がない一定の事業者が、届出により年一回の中間申告を行う制度があります。国税庁の案内では、直前の課税期間が一年なら、前年の確定消費税額(国税分)の12分の6を基礎とします。6分の1ではありません。短い課税期間等の計算や仮決算、期限内に申告しない場合の扱いも確認が必要です。

前払いすれば必ず資金繰りが良くなるわけではありません。手元資金を減らす効果もあるため、繁忙期の資金を社内で留保する案と比べて判断します。季節の波を消すより、谷が来る前に使途と返済の見通しを示すことが準備になります。

確認に用いた一次資料

情報確認日:2026年10月3日。

編集後記

本文のような売上に波がある業種は資金繰りの把握がより重要になる。
このような会社では融資の受け方にも注意すべきである。毎期長期の運転資金で融資を受けていると、BSがどんどん膨らんでいき自己資本比率を下げてしまう可能性があります。また、長期での借入が膨らみ借入総額が増加していってしまうと、いざ資金が必要な時に借入過多といった見え方にもなってしまう恐れがあるからです。
このような一時的な落ち込みの場合は短期のつなぎ資金といった考え方も検討すべきだと思います。
資金繰りを楽にするために長期の運転資金と安易に考えず、全体のバランスを把握した上での資金計画を立てていく方が良いでしょう。

— 編集部
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、融資の実行や審査の結果を保証するものではありません。制度の内容・料率・期限は改正されることがあります。実際のご判断は、取引金融機関・信用保証協会・顧問税理士にご確認ください。
【参考】日本政策金融公庫「融資制度一覧(国民生活事業・中小企業事業)」「一般貸付」「返済シミュレーション(事業資金用)」/金融庁「アクセスFSA 第140号」(平成27年1月20日)/金融庁「融資に関する検査・監督実務についての研究会 第1回資料」(平成30年7月4日)/金融庁「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(令和元年12月)/金融庁「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」/全国信用保証協会連合会「ご利用条件」/各信用保証協会「当座貸越根保証」/総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」「家計調査通信 第526号」/国税庁 タックスアンサー No.6609・No.6611・No.2505/厚生労働省「労働保険の年度更新とは」/中小企業庁「セーフティネット保証制度(5号)」