試算表の役割は、金融機関へ提出することだけではありません。自社の収益や資産・債務の変化を早くつかみ、次の行動を決めるために使います。必要な作成・提出頻度は、事業の状況や契約・利用制度によっても変わります。
売上、粗利、固定費、営業利益の変化を確認したうえで、預金、売掛金、在庫、買掛金などを見ます。月末預金から翌月の支払いだけを引いた額は、翌月末残高ではありません。翌月の入金も加え、日付の前後関係を資金繰り表で確かめます。
売上債権と在庫から買入債務を差し引き、月商で割ると、営業運転資本を月商何か月分持っているかの参考値になります。値が増えた理由は、回収遅延だけでなく、売上の減少、季節性、取引構成の変化なども考えられます。一つの数字から原因を決めつけず、内訳へ戻ります。
累計と単月を混ぜず、同じ期間で比べます。期末だけ計上していた費用を月割りにした場合など、会計処理が変わった影響も区別します。販管費が必ず増え続ける、手を打てばすべて翌月に改善する、というものではありません。
未確定部分を概算で置く場合は、会計事務所と方法を決めて速報値と表示します。原資料が届いたら更新し、外部提出後の重要な訂正は説明します。銀行への報告頻度は契約や制度を確認し、月次試算表がないとあらゆる保証相談が不可能になるとは考えません。
情報確認日:2026年10月3日。
試算表について依頼すると多くの中小企業では「作成できていません」「これから税理士に依頼します。」といった回答をよく聞きます。
決算書は1年に一度しか出てきません。面倒かもしれないですが会社の現状を把握するために作成することをおススメします。
毎月とまでいかなくとも四半期ごとに作成はしていくべきだと思います。
金融機関等に対しても適時開示していく必要はありますが、それ以上に経営者が自社の現状をしっかりと把握する必要があります。
でないと、どこにどれくらいのアクションを起こさなければいけないのか、無駄な経費はないのかといった方向性が全く分かりません。経営者が把握していなければ、従業員も方向性がわからず、組織として機能していきません。
大体ではなく数字でしっかりと把握していくことは経営していくうえで最も重要なことだと思います。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の会計処理・税務処理の判断を行うものではありません。制度や指針の内容は改正されることがあります。実際のご判断は、顧問税理士・公認会計士、取引金融機関にご確認ください。
【参考】中小企業庁ほか「中小企業の会計に関する基本要領」および同「手引き」/日本税理士会連合会ほか「中小企業の会計に関する指針」/2026年版 小規模企業白書 第2-1-10図/全国銀行協会「経営者保証に関するガイドラインQ&A」(最終改定 令和4年6月30日)/経済産業省「ローカルベンチマーク」/財務省 法人企業統計調査(令和6年度)/中小企業庁「バリューアップ支援事業」