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借入が多すぎるかを考える|倍率の前提と、実際の返済予定を見る

企経 企業経財 編集部 公開 2026.09.14 更新 2026.10.06 読了 約8分

「債務償還年数が10年以内なら安全」という一つの数字だけで、会社の借入を判断することはできません。まず使っている算式と、その指標が何を表すかを確認します。

算式は一つではない

ローカルベンチマークのEBITDA有利子負債倍率は、借入金から現預金を差し引いた金額を、営業利益と減価償却費の合計で割る指標です。他の制度や金融機関の分析では、社債、正常運転資金、税金等の扱いが異なることがあります。公的な算式が一つしかない、と考えるのは適切ではありません。

倍率と返済できる年数は同じではない

借入5,000万円、現預金1,000万円、営業利益400万円、減価償却費200万円なら、上記の倍率は約6.7倍です。ただし、将来の設備投資、運転資金増加、納税等を含まないため、そのまま6.7年で完済できるという予測ではありません。分母がゼロやマイナスの場合も、通常の年数として読みません。

「10倍」が何の条件かを確認する

再生計画や保証制度で使われる数値には、それぞれの目的や例外があります。ある制度の条件を、すべての会社の健全性の境目へ読み替えないことが重要です。金融機関にどの算式、対象期間、基準で見ているかを確認します。

最後は資金の予定へ戻る

返済予定表と資金繰り表を合わせ、毎月の元利返済に対応できるかを見ます。利益が薄いのか、設備資金の返済期間が短いのか、回収や在庫が膨らんでいるのかで対策は変わります。手元資金を使い切って倍率だけを下げる判断は避け、必要な運転資金を残して検討します。

確認に用いた一次資料

情報確認日:2026年10月3日。

編集後記

借入の多さは、債務償還年数が特定の年数以内かどうかだけでは判断できません。指標の計算に使う利益や現預金の意味を確かめ、実際の返済予定と並べて見ることが大切です。
返済期間は制度や資金使途によって異なり、運転資金融資でも10年以内の制度があります。設備投資の借入と日々の運転資金を分け、税金や追加投資も含めて資金が回るかを確認しましょう。銀行の債務者区分も、一つの年数だけで決まるものではありません。

— 編集部
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の財務指標の水準や融資の可否を保証するものではありません。指標の適切な水準は業種・規模・成長段階・金融機関の判断により異なります。制度・要領・ガイドラインの内容は改定されることがあります。具体的なご判断は、取引金融機関および顧問税理士等の専門家にご確認ください。
【参考】経済産業省「ローカルベンチマーク」、中小企業活性化協議会「実施基本要領 別冊2 再生計画策定支援実施要領」、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」、金融庁「貸出条件緩和債権関係Q&A」、中小企業庁「2026年版中小企業白書」、日本政策金融公庫総合研究所