資本性劣後ローンは、借入でありながら、その条件によって金融機関の評価で資本に準じて扱われることがある資金です。会計上の純資産そのものが増えるわけでも、返済が不要になるわけでもありません。
金融庁は、長期の償還条件、業績等に応じた金利負担、劣後性などの観点を示しています。期限一括だけでなく同等に評価できる長期据置等の考え方もあり、特定商品の条件を資本性借入金全体の絶対条件と混同しないことが大切です。
日本政策金融公庫の資本性ローンは、国民生活事業・中小企業事業などで対象や条件が異なります。過去の新型コロナ向け制度の条件を、現在の商品へそのまま当てはめないようにします。限度額、期間、利率の判定方法、報告義務を利用する制度の資料で確認します。
元金の期中返済がない商品では、当面の資金を事業に使えます。一方で、利息負担と満期の返済計画は必要です。借換えを当然にできるものとして計画しないようにします。利益が出た場合の利率と、業績が悪い場合の利率をそれぞれ試算します。
残りの期間が短くなるにつれて、資本とみなす額が減る取扱いがあります。借入時だけの評価ではなく、投資や返済が重なる年にどう評価されるかを取引金融機関へ確認します。期間は「厚く見せたい年数」だけでなく、事業計画、費用、返済能力から決めます。
投資・再生の目的、必要額、収支と資金繰り、既存借入の返済予定をそろえます。一部の支援区分の利用件数を、全国の資本性ローン全体の利用件数と読み替えることはできません。ほかの会社が使ったかより、自社の計画に合うかを検討します。
情報確認日:2026年10月3日。
資本性ローンの相談で、いちばん多く直した点が「期間」です。
5年1ヵ月という設定が制度上あるので、それを見て「いちばん短いのでお願いします」となりやすい。ところが資本として100%扱われるのは最初の1ヵ月だけで、あとは毎年2割ずつ落ちていく。自己資本を厚く見せたくて借りたのに、その効果がほとんど残りません。
資本性ローンについても各取引行には説明しなければ自己資本と理解してもらえず、単に借入が増加しているとみられてしまうので注意しましょう。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の資金調達の可否や結果を保証・推奨するものではありません。制度の要件・限度額・利率・期間および審査上の取り扱いは、制度改正や金融機関・時期・個別の状況により異なり、変更される場合があります。記載の利率は執筆時点の公表値です。実際のご検討にあたっては、取扱金融機関の窓口や専門家に最新の情報をご確認ください。
【参考】日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」、金融庁「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」II-4-1