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決算書のどこを銀行は見ているのか|融資審査で最初に確認される3つの数字

企経 企業経財 編集部 公開 2026.07.25 更新 2026.10.03 読了 約6分

<p>融資を申し込むとき、銀行は決算書を隅々まで見ています。ただ、どこを重点的に見ているのかが分かっていれば、日頃の準備も、面談での説明も変わってきます。この記事では、銀行が決算書で確認しているポイントを、審査する側の視点から順に整理します。</p>

<h2 id="s1">銀行が見ているのは、突き詰めれば「返せるか」</h2>
<p>細かい指標はいくつもありますが、銀行が知りたいことは最終的に一つです。<b>「貸したお金を、約束どおり返してもらえるか」</b>。決算書を見る目的も、ここに集約されます。</p>
<p>裏を返せば、「返せる根拠」が数字で見えている会社ほど、評価はしやすくなります。逆に、数字そのものより「説明できない項目がある」ことが、マイナスに働くこともあります。</p>

<h2 id="s2">まず確認される3つの数字</h2>

<div class="step"><div class="n">1</div><div>
<h3>純資産 — 債務超過になっていないか</h3>
<p>純資産は、資産から負債を引いた「正味の財産」です。ここがマイナス(=債務超過)だと、負債が資産を上回っている状態を意味し、評価は厳しくなりやすいところです。まず、純資産がプラスを保てているかが見られます。</p>
</div></div>

<div class="step"><div class="n">2</div><div>
<h3>利益 — 本業で稼げているか</h3>
<p>とくに見られるのは、本業のもうけである営業利益と、そこに金利負担なども含めた経常利益です。黒字は収益力を見る材料ですが、売掛金や在庫の増加、納税、設備投資等を含めた資金繰りを確認しなければ、返済可能とは判断できません。一時的な要因ではなく、<b>継続して稼ぐ力があるか</b>という視点で見られます。</p>
</div></div>

<div class="step"><div class="n">3</div><div>
<h3>借入と返済のバランス — 何年で返せる規模か</h3>
<p>借入の金額そのものより、「その借入を、生み出す利益で無理なく返せるか」が見られます。目安としてよく使われるのが、次の考え方です。</p>
</div></div>

<div class="figbox">
<div class="cap">「何年で返せる規模か」を見る考え方(イメージ)</div>
<table>
<tr><td>借入金の残高</td><td class="num">3,000万円</td></tr>
<tr><td>年間の利益+減価償却費(簡便な資金創出力の参考値)</td><td class="num">600万円</td></tr>
<tr class="total"><td>おおよそ何年分か</td><td class="num">約5年</td></tr>
</table>
<div class="note">減価償却費は当期の費用であっても、その計上時に現金支出を伴わないため加算します。ただし、この参考値には運転資金増減・設備投資・税金等が反映されず、その全額を返済に使えるとは限りません。年数が短いほど「無理のない借入」と読まれやすくなります。数字はイメージです。</div>
</div>

<h2 id="s3">「勘定科目の中身」まで見られている</h2>
<p>意外に見落とされがちですが、銀行は合計の数字だけでなく、<b>勘定科目の中身</b>まで確認します。とくに次のような項目は、理由を聞かれることがあります。</p>
<ul>
<li><b>役員貸付金・仮払金</b>:会社から役員個人へ流れたお金と見られやすく、使途の説明を求められることがあります。</li>
<li><b>売掛金</b>:長く回収できていないものが混じっていないか。実態は不良債権ではないか。</li>
<li><b>棚卸資産(在庫)</b>:売れ残りが資産として大きく残っていないか。</li>
</ul>
<p>これらは、金額や回収可能性などの実態に加えて「説明できるかどうか」が大切です。中身を自分の言葉で説明できる状態にしておくことが、余計な不信を招かないコツです。</p>

<div class="callout">ポイント:数字が多少弱くても、中身を正直に説明できる会社は信頼されます。逆に、説明できない項目があると、他の数字が良くても慎重に見られがちです。</div>

<h2 id="s4">決算書の前に、日頃からできること</h2>
<p>決算書は、日々の積み重ねの結果です。だからこそ、決算のときだけ整えようとするより、日頃からの状態がそのまま評価につながります。</p>
<ul>
<li>使途のはっきりしない勘定科目(仮払金・立替金など)を、ためこまない</li>
<li>試算表を毎月確認し、数字の異常に早く気づく</li>
<li>資金繰り表を用意し、「返済の見通し」を数字で語れるようにする</li>
</ul>
<p>特別なことではありません。ふだんの経理を丁寧にしておくこと自体が、そのまま融資の準備になります。</p>

<h2 id="s5">まとめ</h2>
<p>銀行が決算書で見ているのは、突き詰めれば「返せるか」の一点です。純資産・利益・借入と返済のバランスという3つの数字がまず確認され、さらに勘定科目の中身まで見られます。数字を良く見せる工夫より、<b>中身を正直に説明できる状態</b>を日頃から整えておくことが、いちばんの近道です。</p>
<h2>確認に用いた一次資料</h2><ul><li><a href="https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/youryou/index.html">中小企業庁「中小会計要領」</a></li></ul><p>情報確認日:2026年10月3日。</p>

編集後記

多くの経営者はPL(損益計算書)にフォーカスしがちですが、それと同じくらいもしくはそれ以上にBS(貸借対照表)が大切です。
なぜならPLは一年間の成績表ですが、BSは会社設立当初からの実績が全て反映されてます。過去の利益の積み上げが自己資本に代わり会社の体力を示す一番の指標となります。
勘定科目を答えられるようにすることは自社を理解することなので、経営者としては必須の条件になります。
最初はわからないことが多く抵抗感あるかと思いますが、まずは興味を持つことが大切です。

— 編集部
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の融資審査の結果を保証・示唆するものではありません。審査の基準は金融機関や状況により異なります。具体的なご判断は、金融機関や顧問税理士等の専門家にご確認ください。