資金繰りで大切なのは「見える化」だ、とよく言われます。その中心にあるのが資金繰り表です。名前は難しそうですが、中身はシンプルで、会計に詳しくなくても作れます。この記事では、エクセルでできる最小の型と、実際に役立てるための運用のコツを紹介します。
資金繰り表は、ひとことで言えば「現金が、いつ・いくら入って、いくら出て、いくら残るか」を時系列で並べた表です。
よく似たものに損益計算書(P/L)がありますが、あちらは「もうけ(利益)」を見るもの。資金繰り表は「現金の残高」を見るものです。利益と現金は動くタイミングが違うため、利益を見る表とは別に、現金を見る表が必要になります。
いきなり細かく作ろうとすると挫折します。まずは次の3行だけで十分です。
これを、月ごと(できれば週ごと)に横に並べます。エクセルなら、行に「入る/出る/残る」、列に「今月・来月・再来月…」を取るだけです。
| 前月末 | 今月 | 来月 | 再来月 | |
|---|---|---|---|---|
| 入るお金 | — | 480 | 400 | 520 |
| 出るお金 | — | 520 | 560 | 500 |
| 残るお金(残高) | 300 | 260 | 100 | 120 |
まずは過去1〜2ヶ月の実際の入出金を埋めて、表の形に慣れます。通帳や会計データを見ながらで構いません。いきなり予測から入らないのがコツです。
次に、今後3ヶ月の「入る予定」「出る予定」を、分かる範囲で入れます。決まっている支払い(家賃・返済・給与)から埋めると早く形になります。
各月末の「残る」を確認します。どこかでマイナス、あるいは危険水域まで減る月があれば、そこが早めに手を打つべきポイントです。
資金繰り表は、一度作って満足してしまうと意味がありません。効かせるコツは3つです。
資金繰り表は「入る・出る・残る」の3行から始められます。過去の実績で形に慣れ、これからの予定を入れ、残高の動きで危険な月を先読みする。そして、こまめに更新して生かし続ける。難しく考えず、まず1枚作ってみることが第一歩です。
資金繰り表の話をすると、「うちは税理士さんに任せているから」と返ってくることがある。
ただ、月次で上がってくる試算表は、あくまで過去の記録だ。来月末にいくら残るかを教えてくれるのは、自分で書いた1枚のほうしかない。
だから、きれいに作る必要はまったくない。手書きでもいいし、鉛筆で何度消してもいい。「来月末、たぶん◯◯万円」と自分の口で言えるようになれば、その表はもう役目を果たしている。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。具体的な会計・税務のご判断は、顧問税理士等の専門家にご確認ください。