売上はあるのに、月末が近づくたびに通帳を見るのが怖い——。資金繰りが苦しい局面では、多くの経営者がまず「どこから借りるか」を考えます。もちろん借入は選択肢の一つですが、それを最初の一手にしてしまうと、かえって翌月以降を苦しくすることがあります。この記事では、外から資金を入れる前に確認しておきたい3つのことを、順番に整理します。
苦しいときの借入は、金利や手数料の条件を冷静に比べる余裕がないまま契約しがちです。その結果、必要以上に高いコストを抱えたり、返済がさらに資金繰りを圧迫したりして、「借りたのに、もっと苦しくなった」という悪循環に入ることがあります。
大切なのは、「本当にいくら足りないのか」「その不足は、借りる以外の方法で小さくできないのか」を先に見極めること。ここを飛ばさないだけで、打ち手はぐっと冷静に選べるようになります。
最初にやるべきは、借入先を探すことではなく、資金の状況を1枚の表にすることです。
これを並べるだけで、「何月の、いくらが足りないのか」がはっきりします。漠然とした「苦しい」を、具体的な金額と時期に変える。この作業が、すべての判断の土台になります。
資金繰りの苦しさは、金額の問題ではなくタイミングのズレであることが少なくありません。入金より先に支払いが来る構造だと、利益が出ていても現金が足りなくなります。
すべてが交渉できるわけではありませんが、タイミングを数日〜数週間ずらすだけで、必要な資金が大きく減ることがあります。
最後に、出ていくお金そのものを見直します。使っていないサブスク、惰性で続けている契約、見直せる保険や通信費——一つひとつは小さくても、積み上げると毎月の資金繰りに効いてきます。
ここでのポイントは、闇雲に削ることではなく、「止めても事業に支障がない支出」から順に見直すこと。売上を生んでいる支出まで削ると、かえって先細りになります。
3つを確認したうえで、それでも資金が不足するなら、そこで初めて「外から入れる」手段を検討します。このとき①で必要額がはっきりしていれば、借りすぎを防げますし、条件も落ち着いて比較できます。融資、制度融資、売掛金の資金化など、選択肢は状況によって変わります。
資金繰りが苦しいときの正しい順番は、「①見える化 → ②タイミング調整 → ③支出の棚卸し → それでも足りなければ資金調達」。外から入れる前に、まず中を整える。この順番を守るだけで、慌てて高いコストを払うリスクは大きく減らせます。
中小企業の経営者の方々はご自身で営業をされていることが多く自社の管理まで手が行き届いてないことが多くあります。
本人のイメージと現状のギャップが大きくなっていることが多く、その意味でも現状把握は非常に大切です。
追加で資金を調達したり、売上を伸ばし資金を作るといった外部環境に左右される事象よりも、まずは自助努力で完結する内部コストの削減を優先して行うべきです。
つらい時こそ借入に依存しがちですが、必要な額を適切に把握し困窮状況からの早期脱却を目指しましょう。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の手段の利用や結果を保証・推奨するものではありません。実際のご判断は、個別の状況に応じて専門家にご相談ください。