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中小企業の景況DIは5期ぶりに上昇|改善の数字と、自社の資金繰りを分けて読む

企経 企業経財 編集部 公開 2026.10.05 更新 2026.10.06 読了 約6分

「中小企業の景況感が悪化し続けている」という前提は、最新調査では更新が必要です。中小企業基盤整備機構の第185回中小企業景況調査(2026年7〜9月期)では、全産業の業況判断DIが5期ぶりに上昇しました。ただし、上昇したことと、多くの会社の経営に余裕が戻ったことは同じではありません。

最新の数字はマイナス15.5、前期から3.2ポイント上昇

2026年9月1日時点の全産業の業況判断DI(前年同期比)はマイナス15.5でした。前期のマイナス18.7から3.2ポイント上昇しています。ここでは、各社が前年同期との比較で答えた結果を集計したDIと、そのDIが前の調査から何ポイント動いたかを区別して読みます。「売上が3.2%増えた」という意味ではありません。

業種別でも、建設業・製造業・卸売業・サービス業・小売業のすべてでDIが上昇しました。一方で、全産業の値は引き続きマイナスです。「悪化一辺倒」という説明も、「もう景気は良い」という説明も、この調査だけでは適切ではありません。

全国の改善が、すべての地域や会社に及ぶわけではない

今回の調査では、九州・沖縄を除く地域で全産業のDIが上昇しました。また、建設業と製造業では採算のDIが改善する一方、人手不足感が強まっています。受注が増えても、必要な人員を確保できなければ、納期や残業費、外注費に別の負担が生じる可能性があります。これは、自社の数字で確認したい点です。

自社で見るのは、売上・粗利・入金の三つ

まず、前年同月と比べて売上がどう変わったかを確認します。そのうえで、数量が増えたのか、単価が上がったのかを分けます。値上げで売上が伸びても、仕入や外注費の増加で粗利が残らない場合があります。

次に、粗利の金額と粗利率を見ます。最後に、売上を計上した月ではなく、実際に代金が入る月を資金繰り表に置きます。受注や売上の増加に先行して仕入や人件費を支払う会社では、業況改善中でも手元資金が薄くなることがあるからです。

金融機関への説明に使うなら

全国の調査は、事業環境を説明する補助資料です。借入の相談では、最新の試算表、受注の状況、入金予定、返済予定をそろえ、調査と自社で異なる動きがあれば理由を示します。全国のDIが上がったことを、そのまま自社の返済能力の改善と置き換える必要はありません。

今回の要点は、景況感が5期ぶりに改善したという事実を押さえたうえで、自社の利益と現金が同じように改善しているかを確認することです。古い「4期連続低下」という見出しのまま、いまの状況を説明することは避けます。

確認に用いた一次資料

情報確認日:2026年10月3日。

編集後記

景況DIは、数字の水準だけでなく、前期からの変化や継続性、自社との違いを見るために使いたい指標です。業界全体の改善が、自社の利益や手元資金の改善を意味するとは限りません。
自社の売上、粗利率、仕入単価、回収までの日数を並べ、どこに変化があるかを確かめましょう。業種別の課題を引用するときは調査回と該当表を確認し、全業種に同じ課題が当てはまると決めつけないことも大切です。

— 編集部
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の対応を保証・推奨するものではありません。調査結果は回次により変わります。記載は公表時点の内容にもとづいています。最新の回次については中小企業基盤整備機構の公表資料をご確認ください。